星がぐるぐる回る軌跡写真の撮り方!初めて撮影する前に知るべき知識

みなとです!

突然ですが、こんな風に、星がぐるぐると回転している写真を見た事ないでしょうか?

理科の教科書なんかによく載っていますよね。星というのは地球の自転運動によって相対的に動きます。その軌跡を1枚の写真に収めると、こんな形になる訳です(ちなみにこれ、僕が撮影しました!)。

この記事をご覧の方は、「星がぐるぐる回っている写真と採ってみたい!」と思っている方だと思います。そこで今回は、軌跡写真の撮り方はもちろんですが、星についての知識など最低限、事前に知っておくべき点についても詳しく解説したいと思います。

軌跡写真を撮る前に知っておきたい事5つ

まずは星の軌跡写真を撮る前に、僕が考える、必要となる前提知識みたいなものを5つ紹介したいと思います。

その1:地球の自転によって星が動いて見える

これは当たり前なんですが、念のためご説明します。星が動いている訳ではなく、観測者がいる地球が回転しているため、相対的に星が動いて見えるだけです(厳密には動く星もありますが、距離が遠すぎるため、止まっていると見なしてもOKです)。

ちなみに地球は24時間で1回転(360°)します。360°÷24時間=15°、つまり、1時間あたり15°だけ、北極星を中心として動きます。

面白エピソードなんですけど、写真を見せたら「カメラを回転させているんですか?」って聞かれたことがあります。いやいや、そんな神業無理でしょ笑。電車の流し撮りとかはありますけどね。

その2:撮影する方角によって、星は色々な動きをする

星の軌跡写真といえば、上の写真のように、北極星を中心に円を描くような写真が印象的です。しかし方角を変えるだけで、星の動きは全然違います。

こちらの写真は北西の方角です。星によっては真っ直ぐ動いているように見えます。

こちらは東です。右斜めって感じですかね。なので、「自分が今どの方角を向いているのか」を踏まえて星の動きを予測し、構図を考えなくてはいけません。

その3:一眼レフカメラなど専用機器が必要

星の光はごくわずかなものです。スマホなどでは星を撮影するのは不可能で、撮ったとしても真っ暗になります。スマホでは星の弱い光までは拾えないからです。

したがって、星を撮影するには専用機器(一眼レフカメラ、三脚など)が必須になります。本気で撮りたい方は購入しても良いと思いますが、結構バカにならない金額です。「撮ってみたいな」という興味の段階でしたら、まずは一眼レフカメラを持っている方に借りたりするなど、お試ししてみるのがオススメです。

その4:実際の撮影は過酷

僕の経験からになりますが、星の撮影は気軽にできるものではありません。カメラなど機器を揃えるのに敷居が高いのはもちろんですが、実際の撮影も過酷です。

例えば場所。星の撮影には星がよく見える場所に行くのが前提条件になります。「星がよく見える場所=人里離れた山の奥地」という場合が多く、しかも夜なので危険でもあります。

次に環境。基本は夜の撮影になりますので、寒いです。夏はよっぽど良いですが、秋、冬、春の夜は寒いですからね…。防寒対策は必須です。

そして時間。星は1時間で15°動きます。案外星って動かないものです。例えば、下の写真を撮るだけでも約1時間かかります。3ヶ所場所を変えて撮影するだけで、もう3時間です。

まとめると、真っ暗で寒い環境で、数時間カメラの面倒を見る必要があります。僕も初めて星空を撮影しに行く前までは、遊び感覚でいたと思いますが、すぐにその考えは改められました。一種のスポーツでもあると思います笑。

その5:最後にフォトショップなどで合成する必要がある

三脚にカメラを設置し、数時間カメラのシャッターを開きっぱなしにする、いわゆる長時間露光で撮れるかと思うと、実はそうではありません。一眼レフカメラを既にお持ちの方は何となく想像がつくと思いますが、数時間もシャッターを開いていたら光を拾いすぎて真っ白になってしまうだけです。

軌跡写真撮影の仕組みをご説明すると、数時間の間に何百枚といった写真を同じアングルから撮影し、後で光っている部分だけを合成する(比較明合成)ことで、1枚の写真に仕上げているのです。したがって、星の軌跡をよく見ると、小さな点の集合になっています。

もしフォトショップをお持ちでない方でも、比較明合成だけならフリーソフトでできますのでご安心ください。

実践!初めての軌跡写真の撮り方7ステップ

ここからは、実際に星の軌跡写真を撮る方法について、手順を踏まえながらご説明します。

①必要なものの準備

最低限必要なもの(コレがなきゃ撮れないもの)

・一眼レフカメラ
・レンズ
・三脚

最低の最低限はこの3つです。もちろんメモリーカードとかパソコンはあるという前提です。

一眼レフカメラについては性能が良いに越したことはありませんが、よっぽど何でも撮れます。Canonのkissシリーズといったエントリーモデルでも十分なほどです。

レンズについては広角であるほど良いです。範囲が広い方が、写る星の量も多くなりますからね。ちなみに僕は18mmのものを使っていますが、APS-Cセンサーなので少し望遠になっちゃいます。

そして三脚は必須です。数時間、同じアングルでカメラを固定しておく必要があります。三脚と言っても色々あるんですが、ちょっとの風くらいでは動かないレベルで良いかと思います。

あると便利なもの

・代えのバッテリー
・カイロなど防寒対策品
・レンズヒーター
・レリーズ
・ヘッドライト
・暇つぶし

無くても良いけど、あると良いよっていう品々ですね。一応、個人的に優先度が高い順に上から並べています。バッテリーは切れたらお手上げですので、一番上に持ってきています。

②撮影場所の選定と、天気の確認

装備品が整ったら、次は「どこに撮影しに行くか」を決めます。ネットで検索すれば色々出てくるので、好みの場所を選べば良いと思います。もし中部とかにお住まいでしたら、是非オススメしたい場所がこちらです。

どうもこんにちは、みなとです! 僕は飽き性なので、色々と手を出してはすぐやめる、みたいなことを繰り返してます。ただ、結構長く趣味として...

岐阜県の道の駅ですが、かつて「日本で3番目によく星が見える」場所に選ばれたところです。道の駅なので、トイレや駐車用もありますし、なおかつ星がすごく見えるので、安全快適に星の撮影を楽しめますよ。

ただし本腰入れて遠出しなくても、例えば庭や近くの公園で星が多少見えるのでしたら、まずはそこでの撮影をオススメします。肉眼で星が見えるのであれば間違いなくカメラでも拾えますし、肉眼で見えない星でさえもカメラは拾います。

初めての場合は家の近くで練習してみて、慣れたら星の観測スポットに出かけるのもアリかと思います。

ちなみに僕の場合は、初めて星を撮影した場所が「長野県阿智村」という、日本一星が見える場所でした。当然上手くとれるはずもなく、せっかく行ったのに勿体無かったです…。

そして絶対確認べきは撮影当日の天気です。雲があれば当然星は見えません。できれば雲一つない、完全に晴れている夜がベストです。雨上がりの夜とかは、カラッと晴れることが多いですよ。

雲があると幻想的ではありますが、軌跡写真を撮る上では天敵です。

③構図と方角の決定

実際に撮影スポットまで赴き、三脚をセットして構図決めを行いましょう。

これは構図決めの様子です。

空を大胆に入れ、かつ山の輪郭など、手前に物体を配置するのがポイントです。空だけのカットでは、一見何か分からない上、スケール感が分かりません。

また方角は気にするようにしましょう。スマホの方角を知るアプリでも良いですが、方角によって星の動きは全然違います。「こんな軌跡を描くだろう」という感じで、完成図の予想を立てると良いでしょう。

ただ方角については、ぶっちゃけどの方角でも結構サマになります。どちらかと言うと手前に何を入れるかで、写真の面白さが大きく変わってくると思います。

注意すべきは月の動きです。月が出ていなければ気にしなくて良いのですが、月は結構明るいため、もし撮影している部分に月が近づいてくると、星が見えなくなってしまいます。月の動きを予測した上で、時間が経っても月に邪魔されないようにアングルを設定しましょう。ちなみに月の動きの予測にはスマホのアプリ「Star Walk2」がおすすめです。

また、夜なのでファインダーを除いても何も見えない場合もあります。そんな時は実際に写真を撮ってみて構図を確認するしかありません。下記からのカメラの初期設定を行いながら、テスト撮影を繰り返して構図を決定しましょう。

④カメラの初期設定

カメラの撮影設定は、基本的に撮りながら自分で調整していくものです。星の撮影の場合は調整パターンが決まっていますので、まずは最初の設定(項目は6つです)をご紹介します。

(A)撮影モード

撮影モードはマニュアルを使用してください。絞りやシャッタースピード、ISO感度をカメラに任せてしまうと、必要以上に露光したり、露光しなさすぎて何も写らなかったりしてしまいます。

(B)絞り、シャッタースピード、ISO感度

これらはケースバイケースですが、分からない場合は、絞りは解放(僕の場合は3.5が多いです)、シャッタースピード20秒、ISO感度800で撮影すると、ちょうどよく写ることが多いです。

ポイントとしては、まず絞りは解放(F値をなるべく小さく)してください。絞りを開くことで、星のわずかな光を拾いやすくするためです。その後、シャッタスピードとISO感度で光量を調整するのが基本です。ISOを上げるとノイズが出やすいので、僕の場合はISOを800に保ったまま、シャッタースピード(15〜30秒の間が多いです)で光量を調整することが多いです。

(C)ズーム量

星をなるべくたくさん入れるため、一番引きで撮りましょう。レンズは広角ほど良いです。撮影中に動かないようにするため、よくマスキングテープを貼ってズームリングを固定する方も見えますが、ズレることはあまり経験ないため、僕は貼らない派です。

(D)ピント合わせ

ピント合わせは結構重要です。星がぼんやりしちゃうと台無しです。ピントはマニュアルフォーカスにします。暗いので、オートフォーカスは機能しません。

フォーカスリングは、まず無限遠(∞)まで回し、一番遠くのものにピントを合わせるように回しておきます。

僕のレンズもそうなんですが、もし無限遠の目印がない場合もあります。ピントリングをどちらに回せば遠くのものにピントが合うかは事前に確認しておき、その方向に回しまくる感じで無限遠に設定します。

(E)ホワイトバランス

これは好みですね。

こちらは太陽光モードで、一番見たままの色合いを表現したい場合はオススメです。

こちらは白熱電球モードです。空に青みを持たせ、より宇宙感を出したいのであればこちらがオススメです。

(F)手ブレ補正をOFFに

手ブレ補正とは、手ブレを感知し自動でブレを無くす機能です。ONのまま三脚を用いてガッチリ固定して撮影すると、たまに誤作動を起こし逆にブレる場合がありますので、OFFにしておきましょう。

さて、ここまででひとまずカメラの初期設定は終了です。あとはテスト撮影をしながら、シャッタースピードやピント、構図などを微調整していく形になります。

⑤撮影テスト&設定調整

上の初期設定が終わったら、早速1枚撮影してみましょう。真っ暗で構図が不明の場合は、ここで何回か撮りながら構図も決定します。

暗い場合はシャッタースピードを長くしたり、あるいはISO感度を上げたりしてみてください。

ピントについては、星の大きさが一番小さくなるように調整してください。無限遠に設定すればおそらく大丈夫だとは思います。

上手くいけばこんな風に写るはずです。これだけでも結構良い感じですけどね。

さて、構図とカメラの撮影設定が決まったら、インターバル撮影の設定に移ります。軌跡写真を撮るには、時間をかけて上の写真を何百枚か撮影する必要があります。カメラには自動で「◯秒置きにシャッターを切る」という設定がありますが、それをインターバル撮影と言います。

⑥インターバル撮影

Canonのカメラを例にしてご説明します。

このように、メニューの中に「インターバルタイマー」という設定項目があります。デフォルトではOFFになっていますので、これを選択しましょう。

すると、インターバルタイマーを設定するかしないかの画面に移ります。「する」にカーソルを合わせたまま、「MEMU」の隣の「INFO」ボタンを押します。

撮影間隔と撮影回数を設定する画面に移ります。それぞれ詳しくご説明します。

撮影間隔

「撮影開始から撮影開始まで何秒間隔か」というものです。例えばシャッタースピード20秒、インターバル(カメラが止まっている時間)5秒にしたい場合、撮影間隔は25秒と設定する必要があります。

ちなみにこのインターバルを何秒に設定するかは人それぞれですが、インターバルが長いほど、撮影と撮影の間の時間が空くことになります。5秒と言えども、その間に星はわずかに動きます。したがって、インターバルが長いほど、比較明合成をしたときに線が点々に見えやすくなります。

僕は経験上、5秒がちょうど良いかと思いますので、分からない方はとりあえず5秒で良いかと思います。

撮影回数

これはそのまんまで、「何回シャッターを切って止めるか」の設定です。ちょっと算数なんですが、仮にシャッタースピード20秒、インターバル5秒で撮影する場合、1時間動かし続けるには3,600秒÷25秒=144。つまり144回の撮影で1時間経つことになります。

時間は別に厳密にやらなくてもいいので、僕は永遠に撮影し続ける設定(0回にすることで可能)にすることが多いです。

撮影を開始したらスマホのストップウォッチを起動し、時間をはかり、もう良いな、って思ったら終了します。ちなみに電源を切ることで止まります。

⑦待ち時間

一度インターバル撮影を開始したら、あとは時間との戦いです。暇つぶしがここで活きます笑。

待っている時間は、基本的にはカメラは放置で良いんですが、まず注意すべきはレンズの結露です。結露してしまうと、全体の写りが悪くなり、星空写真を台無しにしてしまいます。

予防策としてはレンズヒーターです。レンズを常に温めておくことで、結露を防止します。無いと言う場合は、撮影前に車のヒーターなどで温めておくと長持ちします。それでも万が一結露してしまった場合は、インターバルの時にカメラを動かさずにレンズを拭くという荒技がありますが、カメラは動く可能性もありますし、メンドくさいです…。中断せざるを得ないでしょう。

⑧比較明合成(家でパソコンを用いながら)

フォトショップCS6を用いた比較明合成の方法を紹介しますが、フリーソフトでも基本的には同じだと思います。

フォトショップを開き、「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」を選択します。

ウィンドウが出てきますので、「参照」をクリックします。

撮影した写真を全て選択し、「開く」をクリックします。ここでは例で10枚だけにしています。

「OK」をクリックします。実際には写真が数百枚開かれることになりますので、開くのに数分かかる場合があります。気長に待ちましょう。

全て開いたら、レイヤーを全て選択し、すぐ上の「通常」をクリックします。

色々な合成方法がありますが、この中で「比較明合成」をクリックします。明るい部分だけを合成するという合成方法です。

すると、星の軌跡が描かれます。今回は10枚なのでちょっと見にくいですが、線状になった星が見えるでしょうか?写真が多ければ多いほど、軌跡の長さが長くなります。

最後に「別名で保存」してやれば1枚の写真になります。ここでも写真が多ければ多いほど、処理に時間がかかります。

実際に完成した写真がこちらです。だいたい撮影時間としては45分くらい、写真は120枚くらいです。

まとめ

いかがでしたか?なかなか文章で伝わりにくい部分もありますので、やっぱり実践が一番だと思います。ぜひ綺麗な軌跡写真を撮ってみてください!

スポンサーリンク

シェアする

フォローする

コメント

  1. 糸井千岳 より:

    みなとさま、

    初めまして、日本大学の糸井と申します。このたび、ある高校から地球の自転に関する出張講義を頼まれました。この頁には地球の自転が分かるような美しい星空の写真がのせられていまして、とても感銘を受けました。これらのうちの1枚を講義で生徒たちに見せたいのですが、よろしいでしょうか。お返事をお持ちしております。
    よろしくお願いいたします。

    糸井千岳

    • Minato Minato より:

      当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

      当記事の写真についてはどうぞご自由にお使い下さい。著作権表記も必要ございません。

      少しでも多くの学生さんに、星について興味を持ってもらえれば大変光栄です。

      よろしくお願いいたします。

トップへ戻る